密刻：紐鶴『転禍為福』

密刻：紐鶴『転禍為福』

京都の“はんこ屋”
『はん工房 万字堂』の“はんこ職人”
“国家検定 一級印章彫刻技能士”の
山﨑(やまさき)です。
私の作品【 密刻：紐鶴『転禍為福』】を
ご紹介します。

【 密刻：紐鶴『転禍為福』】
［柘材(駒) 一寸二分(36mm)角］

　私は、兵庫県神戸市の師匠の下に住み込みで“弟子入り”させて頂き“修行”を積ませて頂きました。
この作品は、修行2年目に彫刻し、第32回大阪府印章技術展覧会(大印展)の「木口密刻の部」に出品して『褒賞』を頂いた作品です。
さすがに金・銀・銅には届きませんでしたが、修行2年目の“青二才”には上出来だったと自負しております。
図らずも、この作品が私の最後の出品作となりました。
修行を終え、お客様からご依頼頂いた『はんこ(印鑑)』を彫刻させて頂くようになると、作品に費やす時間を確保するのは難しくなりましたし、何よりもお客様にお渡しする一本一本が私の“作品”であり、時間を惜しむことなく、持てる技術を全て注ぎ込むことこそが“はんこ職人”の神髄と考えております。

次回からの【作品紹介】では、お客様にご承諾頂いた『はんこ(印鑑)』を私の“作品”としてご紹介致します。
本物の“はんこ職人”が彫刻した『はんこ(印鑑)』はどのようなものなのか？…「機械彫り(ロボット彫刻)」とどう違うのか？…等々も【豆知識】と共にご紹介して参りますので、参考にして頂ければ幸いです。