『手彫り』と『手仕上げ』の「彫刻作業工程」【はんこ(印鑑)豆知識】

『手彫り』
《デザイン》

【デザイン作業】
全書体“手書き”致します

【デザイン案】
『印篆体(左)』と『勘亭流(右)』をご提案

【デザイン決定】
『印篆体』をお選び頂きました
書体について
『はんこ(印鑑)』に用いる「書体」の“特徴”

①字入れ

【字入れ作業】
印材に直接転記
『印影デザイン』をご案内している関係上、
『手彫り』でのご注文の場合、
この“字入れ作業(転記)”に
相当な時間を費やします。

【字入れ完了】
“転記”の際、イメージが崩れない程度に
手を加える(改良)することがあり、
今回は”どっしり感”を増すために
文字の幅を僅かに広げました。

②荒彫り

【荒彫り作業】
職人が万一何らかの失敗をするとすれば
この“荒彫り”の作業中が多いので
相応の神経(集中力)と時間を要します。

【印刀(荒刀)】
常用している荒彫り用の印刀(荒刀)です。
0番刀(最細)から7番刀へと
徐々に先端が太くなっています。
さらに太い印刀(荒刀)もあります。


【荒彫り完了】
皆さんは…「“底”がガタガタに“荒彫り”された
(彫刻痕が荒く残った)ものが“手彫り”」だと
思っていませんか？
私から言わせれば…“下手”か“手抜き”です！

【荒彫り後の印影】
通常はこの段階で
“印影”を取ることはありません。

③仕上げ

【仕上げ作業】
皆さんは…
「“字(線)”がガタガタになったものが手仕事の“仕上げ”」だと思っていませんか？
私から言わせれば…“下手”か“手抜き”です！

【印刀(仕上げ刀)】
常用している仕上げ用の印刀(仕上げ刀)です。

【仕上げ完了】

【仕上げ後の印影(完成)】
『はんこ(印鑑)』が出来るまで(彫刻作業工程)
【手彫り編】

『手仕上げ』
《デザイン》

【デザイン作業】
全書体“手書き”致します

【デザイン案】
『印篆体(左)』と『オリジナル(右)』をご提案

【デザイン決定】
『オリジナル』をお選び頂きました
書体について
『はんこ(印鑑)』に用いる「書体」の“特徴”

①原稿作成

【原稿作成作業】
原稿を作成(転記)
お選び頂いたデザインを拡大or縮小して
サイズを合わせ
光電式彫刻機(下記)専用の枠に
転記します。

【原稿完成】
光電式彫刻機での彫刻は
深く彫るに従い
字が細くなりますので
かなり太めに転記しています。

②光電式彫刻機で彫り込み
【光電式彫刻機】
機械なら短時間(5~10分程度)で
彫刻出来ると思われる方も
いらっしゃるかも知れませんが
それは“ロボット彫刻機”や
“手抜き職人”の仕事で
当店は出来る限り綺麗に彫刻するために
極限までテーブル(原稿台)の“回転速度”を
遅くし、“深さ”は何段階にも分けて
小刻みに彫刻しますので
認印サイズでも4時間以上を要します。
※当店は、『字入れ(デザイン)』から
『仕上げ』まで行う機械(ロボット彫刻機)は
所有しておりません。
『機械彫り(ロボット彫刻)』の“見分け方”と“危険性”

【彫り込み後の印影】
通常はこの段階で
“印影”を取ることはありません。

③仕上げ
この工程は『手彫り』と同様
彫り込み後“印面調整”・“墨打ち”を経て
“印刀(仕上げ刀)”を用いて
『仕上げ』の作業に入ります。
“職人”が枠の外側を削り
(これにより枠の強度が増します)
枠の内側と全ての文字の輪郭を
“印刀(仕上げ刀)”で「仕上げ」することにより
文字を整え“かえり”を取って初めて
“鮮明”な『印影(押し型)』となります。


【印刀(仕上げ刀)】
常用している仕上げ用の印刀(仕上げ刀)です。

【仕上げ完了】

【仕上げ後の印影(完成)】
『はんこ(印鑑)』が出来るまで(彫刻作業工程)
【手仕上げ編】